1990年10月8日号の日経コンピュータで掲載された、「動かないコンピュータ特集」より、「動かないコンピュータ撲滅のための10カ条」という表が再掲載されていました。
動かないコンピュータの定義としては、「当初の計画通りに動かない」という事です。
動かないコンピュータ撲滅のための10カ条(jpgファイル)
現在からなんと18年前の物です。
ITの進歩はあっても、トラブルの原因は変わっていないという現実。
第20回 「動かないコンピュータ」と闘う の中で、あるベンチャー企業の失敗が出てきます。
要約すると、
・ベンチャー企業がWebアプリケーションの開発をインテグレータに発注。
・インテグレータはWebアプリを動かすため、大型UNIXサーバーを提案。
・このため、ベンチャーはサーバーのリース契約を締結。
・納期になっても、アプリケーションは納品されず、インテグレータの担当者が突然退職。
・現在、このベンチャーはWebアプリケーションが載っていないサーバーリース料を支払い続けている。
「動かないコンピュータ」と闘うより 引用
営業担当者の退職,アプリケーションがないままにリース料を支払い,といったあたりは10数年前に取材をしていてよく聞いた事例とまさに同一である。
第10回 IT関連の流行は過去の繰り返しに過ぎない からは、こんな話が出ています。
IT関連の流行は過去の繰り返しに過ぎない から引用
いかに,ハードウエアを中心に,ITそのものの革新はすさまじく速く進む。
しかし,残念なことに,ITを使う人間や企業,社会のほうはそう急速に進化できない。
このため,ITといっても人間が絡む世界は,コンピュータが本格的に使われるようになったこの40年間,実はそれほど大きく変わっていない。~中略~
変化しているものとは,製品やネットワークなどITそのもの,競争条件,市場環境などである。
変わっていないものとは,プロジェクト・マネジメントの基本,経営とITの関係,人の考え,各種ノウハウなどである。
40年間、コンピュータは進歩していますが、人間はどうか?という事ですね。
道具を使いこなすのは難しいことです。
ちなみに冒頭の「動かないコンピュータ撲滅のための10カ条」には21世紀版があり、Web系システムの要件定義の重要性について触れた個所があったので、引用します。
「動かないコンピュータ撲滅のための10カ条」21世紀版 より引用
●要件定義や設計など上流工程に時間をかけ,要件が確定後はみだりに変更しない
昨今のWeb系システムの特徴は,要件が時々刻々と変わるという点である。
この変化のスピードは従来の基幹系システムとは比べものにならない。
しかし,どれほどITや開発手法が進歩しても,要件を変化させながら開発を進めることは絶対にできない。
試行錯誤を繰り返して要件を煮詰めていくプロトタイピング方式をとるにしても,納期までに開発を終えるには,どこかのタイミングで要件を凍結しなければならない。
開発期間を3カ月と決めたら,その間は要件を凍結してとにかく開発する。
その後で,さらに期間が3カ月のプロジェクトを始め,その中で要件を変化させていくというアプローチをとるしかない。
Web系は、要件自体が変わり易く、その変化に対応する事が難しいからこそ、上流工程が非常に重要であるという事です。
盛り込みたい仕様が変化した時、発注者側がどう対応するか。変化する仕様に、どこまで業者が付き合うのか。
「仕様が変わって当たり前!」
これでは開発は納期に間に合わない。しかし、仕様は変わる物。
結局は人と人とのコミュニケーションや信頼関係でしょうか。
是非、本文もご一読を。
【参考サイト】
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