
質問3 現在のネットショップの姿は?(2008/10/15)
グリニッジ有限会社 取締役社長 田中裕之
記事のカテゴリ:
制作の現場から, 発注前の知識, 連載記事 |
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ネットショップがらみの仕事をしておりますと、ネットショップの店長さんからこのようなお話を伺うことがあります。
「○○というキーワードでSEO対策して、1位表示されるようになったんだよね」
「みんながブログ、ブログ、っていうからブログを始めることにしました」
「あのお店、売れてないけどCSSバリバリですごいらしいよ」
前回、前々回と、目的と手段について考えました。まずは、目的をその背景を含めて設定することが大切。そして目的を達成するために“何を成し遂げなければいけないのか”を考えること。それによって自ずと手段が見えてきます。といった内容でした。
例えば休暇で家族旅行に行くとします。
車で行くことにしたので、綿密なタイムスケジュールを決めました。道中のとある町で、楽しそうなお祭りをやっていました。
お母さんはそこに立ち寄って行きたいと言うのですが、お父さんは時計を気にし、そのお祭りを見ることは予定に入っていないので却下して道を急ぎました。
この家族旅行の目的は何でしょうか。
おそらく、家族で楽しい時間を過ごすということですよね。
なのに、移動という手段ばかりが優先されてしまって、楽しい気分も台無しです。これが良く言われる「手段と目的を混同している」ということだろうと思うのですが、あなたのネットショップ運営では大丈夫でしょうか?
先にあげたネットショップの店長さんのお話の例では、どれも「手段と目的を混同している」懸念があります。
SEO対策で1位表示というのは大切なことですが、話をよく聞いてみますと、そのキーワードで検索される回数が極端に低かったり、全く購買に結びついていなかったりするケースもあります。
他の人がブログをやっているから自分もやらなくては、なんていうのも「手段と目的を混同している」よくある例です。ネットショップの目的を達成するのに有効と思えるからブログを作るというのであれば正しいと思うのですが、なんとなくSEOに良さそうだから始めてみようか、というのは何か違いますよね。
CSSバリバリなのは確かに素晴らしいです。でも技術に走るあまりにアーティストになってしまったいる方もいらっしゃいます。
もちろん、ネットショップ運営は試行錯誤の繰り返しですから、いろいろな試みを行ってみることは非常に大切だと思います。その試行錯誤を、単なる思い付きの繰り返しではなく、PDCAサイクルと呼ばれる、
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)
の手順を踏んで行うことで精度も高まります。
綿密に計画を立て、その通りに実行し、結果を評価し、改善して次につなげるというサイクルは、仕事の基本ともいえます。
「ネットショップをリニューアルする目的」とそのための「手段として成し遂げなければいけないこと」を考えることは、PDCAサイクルにおける第一段階、綿密な計画を立てることに繋がっています。
もちろんリニューアルに限らず、日々のネットショップ運営においても、その手段はどのような目的を成し遂げるためのものなのかを気にしていただければ、それが綿密な計画を立てることに繋がり、より効果的なネットショップ運営ができるのではないかと思うのです。
この5つの質問について、5回にわたって連載して参ります。
質問3 現在のネットショップの姿は?
ネットショップをリニューアルする際に考えることを突き詰めてしまえば、現状どうなのか、これからどうしたいのか、ということに集約されます。
前回、前々回で考えてきました目的と手段については、リニューアルの方向がブレてしまわないように、そして他者とビジョンを共有するために何を行わなければいけないか、という観点に立ったものでした。
今回を含め残りの3回では、リニューアル作業を行う上で必要となる指標を再確認するためには何を行わなければいけないかについて述べて参ります。
リニューアルに当っては現状のサイトの分析が非常に大切です。
ではなぜ大切なのでしょうか。現状分析をすると何が嬉しいのでしょうか。
当然リニューアルですから現状のサイトの運営実績があると思います。今までの実績を評価せずに、まるっきり一からリニューアルを考えるのはどう考えてももったいないですし無駄が多すぎます。現状のサイトの実績をリニューアル後のサイトにつなげるためにも、現状分析は非常に大切なステップとなります。
現在のネットショップの姿を確認する上での2大項目は、アクセス解析と競合サイト比較です。
それぞれチェック表を活用してご確認いただければと思います。
アクセス解析と競合サイト比較
■アクセス解析
ネットショップであれば、お客様がサイトにやってきて、ページを見て回り、商品を買い物カゴに入れ、決済を行う。そういったストーリーが立てられると思いますが、実際想定したとおりにお客様がサイトを閲覧してくれているでしょうか。それについて答えを出してくれるのがアクセスログであり、そのアクセスログを分析、評価しやすい形に整形してくれる、アクセス解析ソフトです。
迷っていないか、目的のページにたどり着くまでに余計なクリックが生じていないか、それぞれのステップで、現状どのような状況なのかの把握を行ってみてください。そこからこれまで見えていなかった現実が把握できてくると思います。
アクセス解析ソフトとしては、[2] Google Analytics がお薦めです。
高機能ですので、解説書を参考に利用されるのが良いでしょう。
→アクセスログ・アクセス解析ソフトを使った自社のサイトチェック表を用意しましたので、それぞれの項目を確認しつつ、気が付いた点をまとめてみてください。
そして最後に、分析に基づいてサイトの売上を伸ばすためにはどのような施策を行うのが良いと思われるかの仮説を立てることができれば完璧です。
■競合サイト比較
次に競合サイトとの比較を行ってみます。しっかりと自社の現状と、競合サイトの現状を分析することによって、自社の強み、弱みを見つけ出すことができます。
自社のサイトのみを見ているだけでは、業界での立ち位置や自社のサービスが優れているのか、劣っているのかの判断を客観的に行えなくなりますので、
こういったサイトとの比較分析を行っていくのが良いでしょう。
比較分析を行っていくうえでは、競合他社や業界の中でどのようなポジションを得たいのかという相対的な視点を持つこと、そして、同じ商材、ターゲットを持つ他サイトが具体的にどのような施策を行っているのか、何が自社のサイトで足りないのか、どの部分が他サイトに比べて勝っているのか、というベンチマーキング的視点から攻めていくのが良いと思います。
まずは自社のサイトをチェックし、その上で同一マーケットで競争相手にあるネットショップのサイトを3サイトほど、他に、異業種でも同じような顧客層を対象としているサイト、その他目標とするサイトについて、それぞれチェックしてみてください。
こういった内容を確認してみることで、それぞれのサイトが業界のどのポジションを狙っているのか、それを踏まえて、自社はどこのポジションを狙うのが戦略として正しいのか、といった事や、自社のサイトで不足している点、やらねばならぬ点などが明確になってくると思いますので、その解決をリニューアルの柱にすえていくのが良いでしょう。
今回は、アクセス解析と競合サイト比較の2つの項目から現在のネットショップの姿を分析してみました。
強み、弱み、課題点が見えてきたでしょうか。その内容を元に、残り2回でこれからネットショップをどうしたいか、あらためて目標について考えて行こうと思います。
Web力向上ポータル、納得発注道しるべ: http://www.webryoku.jp
記事のURL: http://www.webryoku.jp/information/doubt/case1/p/410
記事中のlink:
[1] アクセス解析と競合サイト比較: http://www.webryoku.jpinformation/doubt/case1/p/410/2
[2] Google Analytics : http://www.google.com/analytics/
[3] できる100ワザ Google Analytics SEO & SEM を極めるアクセス解析ノウハウ: http://www.amazon.co.jp/dp/4844324284
[4] ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略: http://www.amazon.co.jp/dp/4048673661
[5] アクセスログ・アクセス解析ソフトを使った自社のサイトチェック表.pdf: http://www.webryoku.jp/wp-content/uploads/2008/10/3-1.pdf
[6] 競合サイト比較チェック表.pdf: http://www.webryoku.jp/wp-content/uploads/2008/10/3-21.pdf
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