
質問4 リニューアル後のネットショップの姿は?(2009/2/16)
グリニッジ有限会社 取締役社長 田中裕之
記事のカテゴリ:
制作の現場から, 発注前の知識, 連載記事 |
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ネットショップのリニューアルを行う際に、どのようなことを考え、どういった点を押さえておかなければいけないかを5つの質問にて整理をしましょうという趣旨にて連載を行っております。
リニューアルを行う際には、まずはリニューアルの目的を考えることがスタートになります。サイトの見た目を新しくすればフレッシュな感じがするだろうと闇雲にリニューアルをしてみる、という方はさすがにいらっしゃらないと思いますが、このような方針では良くなることは見込めません。
現在、お客様がネットショップに訪問してくれていて購入を行ってくれているのであれば、現在のサイトでもある意味問題がないといえます。また、新規のお客様に関しては、はじめてサイトに来るわけですから、見た目がフレッシュかどうかなんてそもそも関係ありません。そんな中で、なぜリニューアルを行おうとするのでしょうか。
おそらく現状のサイトに対する不満があるのではないかと思いますが、その不満の解消をしっかりとリニューアルの目的に据えないことには何をやっても時間の無駄になってしまいます。このリニューアルの目的についてちゃんと考えて見ましょう、ということについては、連載の1回目、2回目で書かせていただきました。
そして前回の3回目では、リニューアル際には現状の分析も当然必要ですよ、現在のネットショップの姿をしっかりと把握し、それを土台に考えていきましょう、ということを書かせていただきました。
リニューアルの目的と現状の姿がしっかりと見えてきたならば、その両者の間にあるギャップが浮かび上がってくるはずです。そのギャップを埋めていく作業こそがリニューアルで行うべきものだといっても過言ではありません。
この5つの質問について、5回にわたって(ゆっくり)連載中です。
質問4 リニューアル後のネットショップの姿は?
リニューアルの目的を考えることは大切なステップです。そこがスタートラインであることは間違いがありませんので、この連載でも最初に取り上げました。しかしながら注意しなくてはならないことがあります。この目的を考える際に、なぜリニューアルするかを箇条書きとして書き出してもらいますと、ネットショップ運営者側が抱く現状のサイトへの不満点が列挙されたものに終始してしまうことが多々あります。
それらを解決するためにリニューアルしたいんだ。
でも、ここで抜け落ちてしまっている視点があります。それはお客様側からの視点です。
制作会社との話し合いでは、現状の不満点や、達成したいことを伝えるということが大切な作業となります。しかしながらそれらをまとめたところで、本当にリニューアルに必要な作業が洗い出せるかは疑問が残ります。
なぜなら“運営者側の達成したいこと”といった視点でしか考慮されておらず、本来最も考えなければならないはずの“お客様の立場に立ったネットショップ分析”が抜け落ちてしまうことが多々あるからです。
お客様側の視点で考えてみることは非常に多くのアイデアをもたらしてくれます。もちろんお客様がネットショップに来てくれるには何らかの理由があるはずです。お客様はあなたのネットショップで何を成し遂げたいと思っているでしょうか? 何を解決したいと思っているでしょうか?
リニューアルの目的と共に、お客様があなたのネットショップに何を求めているかを考え、それに応えるためにはリニューアル後のネットショップで何を表現すればよいのか、どのような機能を実装すればよいのか、どのようなサービスを提供すればよいのか、そういったことを明らかにしなければなりません。
突き詰めるとどのようなコンセプトでネットショップを作れば良いのかを考えていくということになると思います。
その検討の際には、前回も書きました、競合サイトがどのようなサービスを提供しているかなどの調査内容も大いに役立ってくることと思います。
ネットショップコンセプトを3つの観点で考える
1、ネットショップのコンセプトを改めて定義してみる
あなたのネットショップの役割は何でしょうか? どのようなお客様が訪問してくれているでしょうか? 何を目的にし、何を求めに来てくれているでしょうか?
そういったことをしっかりと考えて、ネットショップのコンセプトを改めて定義してみましょう。
ネットショップのコンセプトとは、企業がネットショップにおいて、誰に、何を、どのように提供するのかを明確化したもの、と言うことが出来ると思います。
言い換えるならば、企業がネットショップにおいて行う事業の範囲を明確にしたものということも出来ます。
ネットショップが成功するかどうかは、魅力的なショップコンセプトを打ち立てることが出来るかにかかっています。もちろんここがビジネスのキモとなるところで、その定義次第でネットショップが成功するかどうかの分かれ目でもあります。
ネットショップのコンセプトは全ての柱となります。ネットショップのコンセプトを明確にすることによって、ショップのロゴや店名、商品の写真や顧客サービスなどを変更していかなければならなくなるかもしれません。
リニューアルの作業においては、全ての要素をネットショップのコンセプトに照らし合わせ、ブレのないようにしていく必要があるでしょう。
2、ターゲットユーザーを明確にする
ネットショップのコンセプトをより明確なものにするためには、ターゲットユーザーを明確に描き出すことも有効な手段です。
あなたのネットショップは誰のためのネットショップでしょうか? お客様は、どういった背景や理由であなたのネットショップを訪れ、何を解決したいと考えているでしょうか? どのような課題やニーズを抱えているでしょうか? そのお客様に、あなたのネットショップでは、サイトを通してどのような体験を提供しますか? どのように提供しますか?
もちろんネットショップを訪れるお客様は明確な目的を持ってサイトに訪れています。暇つぶしでネットサーフィンをしている人はほとんどいないと思って間違いありません。
お客様がどのような目的を持ってネットショップを訪れているか思い描いてみましょう。
そのお客様に対し、求められている情報を充分に提供できているでしょうか? もし出来ているのなら、あなたのサイトはお客様に感謝され、そして顧客満足度も向上しているに違いありません。出来ていないのなら、目的をもってやって来てくれたお客様を逃してしまっているかもしれません。
3、ペルソナを定める
耳慣れない言葉かもしれませんが、「ペルソナ」とは、架空のユーザー像を作り、まとめ上げたものです。
あなたがネットショップで提供しているビジネスをよく振り返ってみてください。
「こんなお客様が多いな」、「こんなお客様にもっと来てもらいたいな」といったものは必ずあると思います。
そういった中から、架空のお客様像を具体的に作り上げてみます。
顔写真やイラストなどがあるとよりイメージが鮮明になるでしょう。
なぜここまで具体的にお客様像を作り上げる必要があるのでしょうか?
ネットショップのリニューアル作業には多くの人が関わってきます。10人集まれば言うことは10通り、出てくる意見を集めていてはブレが大きくなるばかりです。
そこでペルソナとして定めた「○○花子さん」に提供するにはどのようなサービスが良いか、と考えていったほうがより意見を集約しやすくなりますし、イメージ化も容易になるでしょう。
また、ネットショップにおいて、コンテンツを企画する際や、文章の言い回し、メルマガを配信する時間まで、ペルソナを定めることによって方向付けが出来る事項は多岐にわたります。
ペルソナができたら、シナリオを作ってみます。
提供すべきサービスで足りていない点を洗い出すことで、リニューアル後のサイトがどのような姿になっていなければいけないかが浮かび上がってくるはずです。
このように、お客様視点でネットショップのコンセプトを見つめなおしてみることで、リニューアル後のネットショップの姿はどうあるべきなのか、その姿が浮かび上がってきます。
そのあるべき姿と、リニューアルの目的、そして現在のネットショップ姿をすり合わせることで、ネットショップが解決すべき課題がより明確に浮かび上がってくると思います。
この課題こそがリニューアルで解決しなければならないことであり、リニューアル作業に関わる面々の間で共有しなくてはならない事柄となります。
この情報が共有できたならば、作業が終わった段階になって思ったようなものにならなかった、といった感想は決して出てこないはずです。
さて、次回の第5回目(最終回)では、リニューアル作業を行ってみても、効果があったのか、なかったかが分からない、といったことを防ぐためにはどうすればよいのか、ということに触れたいと思います。
しっかりと目標を立て、効果測定を行うことで次に繋がる試行錯誤が行えるようになります。
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[1] 「ネットショップコンセプトを3つの観点で考える」: http://www.webryoku.jpinformation/doubt/case1/p/521/2
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