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デザイン発注についての注意点(2008/5/30)

グリニッジ有限会社 金井佳子 
記事のカテゴリ: デザイン・ページ制作, 制作の現場から, 発注する, 発注のコツ | No Comments

デザインの力とは!?

現在、ネットショップのデザインは多種多様となってきました。
「使いやすさ」や「商品へのたどり着きやすさ」「解りやすさ」を求められるネットショップでは、いわゆる「良いデザイン」のモデルになるデザインが存在しますが、それを差し引いても、全くデザインされていない物から、斬新な芸術的デザインがされている物まで実に様々です。

このデザインと売上が直接結びついているかというと、そう単純なものではないようで、奇麗にデザインされているショップでも売上が上がっていなかったり、逆にデザインは良くないがどんどん売れていたりと、「結局、デザインだけが美しくてもダメである。」という事は常識になってきました。

しかし最近では、デザインの力でお客様の「好み」に戦略的に入り込み、購買意欲を誘うというビジュアルマーケティングや、商品やお店をお客様から「どう見られたいのか」をコントロールし、店舗演出・商品演出するといった、いわゆるVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)が注目を浴びています。

また、ネットショップの運営から考えれば、商品の見せ方、バナー等、「デザインセンスがあればなぁ・・」と思う事は多いのではないでしょうか。
そこでWebデザイナーに、バナーの制作から、サイト丸ごとデザイン発注しているという方も多いと思います。

所がこのデザイン発注、イメージを伝えるのが非常に難しく、思ったとおりに仕上がってこない事もしばしばです。システム発注とも共通しますが、作る本人がネットショップの業務に詳しくない場合、自分のセンスに頼った制作をしてしまいがちです。

そこでデザイン発注を上手く進めるコツを考えてみました。

イメージを伝えるためには?5つのポイントをチェック!

今回、ハンドバッグを扱うショップをリニューアルする、と仮定しましょう。
今のサイトは少し子供っぽく、ごちゃごちゃしてしまったので、もっと「高級感」をだしてお店や商品を、ブランディングしたい!とします。そこでサイトのイメージをWebデザイナーにこう伝えました。

「高級な感じで。」

さて、このデザイナーはどんなデザインを施すか、イメージが湧くでしょうか。

「高級な感じ」の正体は何!?

まず、「高級な」から連想するものをあげてみましょう。

高級ブランド ・・・・シンプル、シック、上品。
ゴージャス ・・・・宝石、キラキラ、金色、セレブ。
クラシック  ・・・・伝統的な、格調高い、優雅。

どれが正解でしょうか。少し考えただけでもこれだけ上がります。という事は、デザイナーが考える「高級な」にも幅がある事がお解りになるかと思います。
ですから、デザイン発注をする時は、まず考えなくてはいけない事があります。

1:グレード

「高級な」であっても、「今より少し」高級なのか、「シャネルやグッチに代表される高級ブランド並に」高級なのかで話が違います。
ファッション業界では、マーケティングをする区分をグレードによって分けています。そこで、これに倣い、狙うグレード感を分析しましょう。視覚化する事に意味があります。

セグメント 印象 顧客層
プレステージ 一流、高級品 社交界の富豪と芸能人
ブリッジベター プレステージとベターの中間 一般のキャリアウーマン
ベター 一般的 幅広いカジュアル志向層
モデレート 値頃感のある商品 価格と価値を追求する層
バジェット 低コストのボリューム商品 価格優先の大衆層

[1] (Glocalnet「アメリカンマーケット豆知識」参考)

今回は、ブリッジベターを目指す事にします。「高級ブランド程つき抜けない、デパートでいうと一つフロアが下がる」くらいの高級感です。

2:与えたい印象

クラス感が決まった所で、次に「印象」を決めましょう。
「可愛らしいのか、大人っぽいのか」
「無機質なのか、自然なのか」
「和風なのか、洋風なのか」
「シンプルなのかゴージャスなのか」
「クラシックなのか現代的なのか」・・・

それぞれで高級感が違います。

お店の印象を決めるのは、何といってもお客様です。お客様に何と言ってほしいか、で、与えたい印象を決定します。
ここでは、「大人っぽい」「シンプル」「上品」にします。

3:出来上りを一言で表現すると?

クラス感と印象が決まったら次は完成した後、お客様にまずまっ先に「何と言ってもらいたいか」を、一つ決めます。
これは、デザイナーと発注者の間で、また、作業が進むにつれて、コンセプトにずれを生じさせないため、常に、
「今回のリニューアルが、この一言で言い表す事が出来るか」

をチェックするためのものです。

ここでは、先に出てきた、「高級感が出た!」にしたいと思います。

4:ペルソナ

リニューアルするに伴い、誰に気に入って貰いたいかというと「お客様」である事は言うまでもありません。
しかし、「お客様」には年齢、ライフステージ、嗜好があり、全ての人に気に入られる事は難しいでしょう。

そこで、ペルソナと呼ばれる「架空の顧客像」を作ってしまいます。
お客様の中でも重要と思われるセグメント(一番買ってくれる層、一番売り込みたい層等)から複数のモデルを選び、大体の共通している項目をプロフィールとして勝手に決めてしまい、そのペルソナを満足させられるか、チェックします。

具体的には、名前、趣味、日常生活、好み、その好みになった理由などを想定します。

名前 藤崎真由美
年齢 28歳独身(彼氏あり)
職業 化粧品メーカでビューティーアドバイザーとして働く。キャリア志向で独立開業も視野に入れる。反面、プライベートも重要視している。
趣味 映画鑑賞と読書。
嗜好 洋服もバッグもシンプルで上質な物が好き。ベーシックな物は高級品を、流行物は安く手に入れたい。仕事場でも後輩が多くなってきて、ライフスタイルを含めた憧れの上司となるべく、外見等の外側だけでなく内面も磨きたいと思っている。

今回は上記のようなプロフィールにしました。

5:トーン&マナー

デザインの話をすると、英語やカタカナが多く、「で、それ何の事?」というのがよくありますが、トンマナなどと略されるこの言葉、ご存じでしょうか。
トーン&マナーは、広告業界で使われる言葉で、その広告が出す、雰囲気や調子の事です。これを決めておき、共有すると、一貫性を持ったデザインが出来るという利点があります。

今回は、お客様にお店や商品をもっと高級に見て貰いたいという事と、1から4までで浮かび上がってきたイメージを踏まえて、

トーン:
「シンプルで、上品。商品自体の色をアピールするため、出来るだけ白ベース。キャリア志向の女性が好むイメージ。」

マナー:
「派手・華美な感じにはしない。デザイン的に英語の表記も許す。フォントは明朝体。」

一例ですが、こういった感じになります。

これで、ずいぶんイメージが固まるのではないかと思います。

この他にも、イメージに合う他のサイトを見つけて提示するのも勿論大切です。
眼でみた印象を言葉で表し、実際の画像やサイトでも表すという2重構造でデザイン発注を攻略して下さい。


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記事のURL: http://www.webryoku.jp/information/doubt/case4/p/135

記事中のlink:
[1] (Glocalnet「アメリカンマーケット豆知識」参考): http://www.glocalnet.co.jp/other/world/a_market/index.html

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